No.27 おだやかな関係。
笑っている姿が見たい。
喜んでいる姿が見たい。
飛んだり、跳ねたり、走ったり、
ブンブンしっぽをふってくれるとうれしくて、
もっとそんな姿を見たいと思う。

(オサンポダーーー♪)
でも、時々違和感を感じるのです。
犬たちに幸せでいてほしいと願うあまり、
ついつい「喜んでいる姿」を期待してしまっていないかな。
「こうであってほしい」という理想像を押し付けてしまっていないかな。
犬はゆったりと歩いているのに、もっと走ろうよ、と誘ってみたり、
犬はおだやかに出迎えてくれたのに、もっと飛びついて喜んでほしいなぁ、と思ってみたり、
実は、イケイケ、ガツガツ、ハイテンションになるように
私たちが煽っているだけなのではないかと思うことがあります。

(モット!モット!!)
犬のボディランゲージを学べば学ぶほど、彼らの細やかな面を知れば知るほど、
もっと「おだやか」であることを大切にしたいな、と思うようになりました。
犬にとっての「うれしい」は興奮することだけじゃないから。
日だまりの中で眠るように、
おだやかに「うれしい」瞬間を私たちは見逃してしまっていないかな。

(コンナ キョリカン ガ チョウドイイ。)
例えば、犬をなでたり、寄り添って過ごす時。
気持ちいいのかな?
本当は我慢してるのかな?
犬の気持ちがわからないなぁ、と不安になってしまうこともあるけれど、
じっとそこにいてくれるということは、受け入れてくれているということ。

(マッテルヨ。)
例えば、いっしょに森の中を歩いている時。
走る訳でもない、どこかに行ってしまう訳でもない。
なんとなくいっしょに歩いてくれるのは、犬自身がそうしたいと感じているということ。
だから、
いつも「わーーーい」と喜んでくれることを期待せずに、
おだやかにに受け入れてくれた犬を見て、
それをにっこりとほほえむだけの自分をイメージして、
自然に寄り添えていたらいいと思う。

(ノビ〜〜〜〜〜〜ッ)
なんだか年寄り夫婦みたい?(笑)
イギリス滞在中の写真を振り返ってみたら、
犬たちの顔がみんな本当におだやかで、
改めてそんなことを思ったのでした。
Mar, 2011