No.26 「行動」を変えるのではなく、「感情」を変える。
久しぶりにイギリスのワークショップに参加した時に書き留めたノートを開いて、
この言葉を見つけました。
She can cope with it really well,
but she is not comfortable.
「ドッグホリデー」と呼ばれるワークショップが、春〜秋にかけて各地で行われるイギリス。
レスキューセンターで実際にレスキューされた犬をトレーニングするものもありましたが、
大抵は自分の犬といっしょに参加し、夏休みの旅行を兼ねて、景色の良いカントリーサイドを楽しめるのでした。私たちもワークショップの度、いっしょにB&Bに泊まり、レンタカーで観光地をめぐり、1人と1匹旅を満喫しましたよ♪
そして、何歩も先を行くベテラントレーナーに直接師事するのは本当に貴重な機会で、私は終始ハイテンション ^^;
つたない英語力ということもあり、必死にがんばろうとする私たちを見て、
先生からは何度も「休憩しましょう」と中断の言葉がかかったのです。
She can cope with it really well,
そう、問題は「できるかできないか」の行動の問題ではなく、
but she is not comfortable.
犬自身が「落ち着いているかどうか」「楽しんでいるかどうか」という感情の問題なのです。

楽しそうにチャレンジする凛を見て、「あとちょっと」と欲張ってしまっていた私。
確かにまだまだできる。全然いける。
でも、周りの方はほんのちょっとした疲れや飽き、興奮などのサインを見逃さなかった。
緊張や恐怖、警戒といったネガティブな時だけではなく、楽しすぎて興奮状態の時も同じこと。
恐らく周りも見えていないし、冷静に何かを考えることができないので、何かを学ぼうと思っても難しいのです。
犬のサインは私たちが思っているよりもずっと繊細で、
ちょっとなら大丈夫、と無視するクセがついていた自分に気づかされたのでした。

そんな気づきを得て、
「行動を変えること」ではなく「感情を変えること」
に、トレーニングのスタイルも変わりました。
犬にとっても、怖い、不安、緊張、興奮など感情が爆発してしまっているのを変えることはとっても難儀。でも、飼い主さんのサポートがあったら?
「ダメ!」「ちゃんとして!」
ではなく
「大丈夫だよ」「落ち着いて」
と言えるようになっただけで、変わるんです♪
周りにご迷惑をかけてはいけない、と
焦ってしまう時もあるかもしれないけれど、
愛犬の気持ちを理解してあげられるのは、飼い主さんだけ。
守ってあげられるのは、飼い主さんしかいないから。
お互いに自信を持って「大丈夫」と言える機会を重ねて、1ヶ月、半年、1年、、、
そんなことあったっけ?と忘れてしまう方も多いので、昔のメールをお見せして、どんなに悩んでいたか思い出していただくことがあるくらい(笑)
今悩んでいる方も、あれ?何だかいつのまにかよくなってる??と思う時が絶対に来ますので、
どうぞ焦らずに。
毎日ニコニコとリラックスできるトレーニングを重ねることが一番の秘訣ですよ♪
p.s.
そんなイギリスでの経験を皆さんにもお伝えできれば、と思っていた所、
昨年札幌でもドッグホリデーを開催する機会をいただきました。
今年もご希望の方がいらっしゃいましたら、開催いたします (^^)
北海道は寒いのでね。。。雪の時はレッスンなしで遊びに来てください♪
May, 2021