No.20 いきものと向き合うということ。

 

 

 

大学で学校教育に関わる友人の紹介で、学校飼育動物研究会の大会に出席してきました。

 

ふと思い出すのは、自分自身の子供時代。

  

よく皆さんがおっしゃるように、生まれた時からずっと犬がいる家庭で育ったという訳では私はありません。

学校からの帰り道に、つながれている犬を全部訪ねて帰る犬好きではありましたけれど、

小学生の時に犬を買ってもらって、高校を卒業して家を出てからは犬とは無縁になり、

自立して余裕ができた時に初めて自分で犬を飼い始めた、というワリとよくあるパターンの部類です ^^;

学校では飼育委員もやったことがないので、ウサギがいたような気もするのですが、実は全く記憶がない。。。

  

  

でも、

  

田んぼの隣で育ったこともあって、いきものはもうちょっと身近でした。

  

近所の子供たちと用水路にザリガニを取りに行ったり(素手です!)、カエルの卵を持ち帰って家のバケツで全部孵ってすごいことになったり、庭にモグラの通り道があったり、ハチの巣があったり、池には鯉がいた。鯉は父の趣味で、犬で言えばブリーダー?、カップリングから卵を孵化させて稚魚になるという過程も見てきました。その全部が育つ訳ではないということも。

  

大自然の中ではないけれど、毎日の遊びの中に、生き物とつきあう時間がたくさんあったように思います。 

 

  

(アリのお家を教えてあげたら、一生懸命観察する姪っ子ちゃん。)

 ※本文とは関係ありません。

  

  

犬とか猫とか、まだ「ペット」というくくりが自分の中になかったのかもしれませんね。

  

そんなある時、家に迷い込んできたスズメを保護したつもりで、籠に入れておいたら翌日冷たくなっていたという経験をしました。その時は「なぜ?」がわかりませんでしたが、大人になって動物のことを学ぶようになり、野生動物は捕らえられたというショックで死んでしまうことがあるということを知りました。

  

またある時はトンボ取りで、網にトンボの頭がひっかかってしまい千切れてしまったという経験も。これはショックでしたね。生き物を殺してしまったと感じた最初の経験かもしれません。

  

直接的な表現ですみません。。。

  

  

*****

  

  

そんなことを思い出しながら聞いていた今日の講演。

中でも、旭山動物園の方のご意見がとても心に残りました。

  

学校飼育のあるべき姿は、終生飼育。

世話は大変だし、掃除では汚いものを触ることもある。いやな所、病気になることも含めて動物と関わりを持ち、最後は死で終わることも含めてすべて経験することが「飼育」なのだと。これは、動物園への訪問やレンタルでは感じることができない。

  

実際のビデオも見せていただきましたが、なぜ死に至ったのか獣医からの説明を聞き、きちんとお別れをする子供たちはとても大切な感覚を得ていたように思います。

ショックを受けさせるべきではない、と避けるのは、学校飼育という本来の目的を見失っているのではないか?という疑問を投げかけるお話でした。

  

  

私は今回初めて学校飼育について考える機会をいただいたので、まだ何が正解かよくわかりません。

  

ですが、自分自身の経験を振り返っても、意図的でなかったにせよ、自分の知識不足や不適切な対応が理由で相手の命を奪ってしまうことがあるという経験は、大人になった今でも強烈に残っています。今でもこの恐怖感は常に持っているかもしれません。

  

自然の中で遊んでいれば、きっと少なからずこういう経験をして育ち、そこから学んでいくのでしょうね。

  

  

*****

  

  

大人になって、ドッグトレーナーになって、子供と触れ合う機会が増えてきました。

  

3歳でも7歳でも、犬の気持ちを教えてあげれば、みんなわかってくれるから。

むしろ、大人よりも素直に犬の気持ちを感じてくれるから。

「子供だから」と区別して説明する必要はないのかな、とも思うけれど、

 

まだまだまだまだ勉強中。

 

 

(リードを引っ張ったら首が痛いからね。と伝えたら、一生懸命犬についていく姪っ子ちゃん3歳。

自分の思う通りにしてほしいという気持ちを抑えて、相手の気持ちを考えるって、案外簡単じゃないよね。とってもやさしい子です♪)

  

  

「かわいい」や「かわいそう」ではなく、

「犬ってすごいね!」と感じてもらえるように。

  

 

私も日々精進です。

   

 

May, 2021

 

 
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