No.25 満足して、納得して、次に進む。

 

 

好きなだけ走った犬は、おだやかな顔で歩き出す。

  

好きなだけなででもらった犬は、自ら離れて1人になる。

  

好きなだけ枝をかじった犬は、その内興味をなくして置いてくる。

  

  

 

最近とても気になるのが、

  

 ちゃんと犬たちが満足しているかな?

  

ということ。

  

好きなだけやらせていては、人の言うことを聞かなくなるなんて言われることもあるけれど、そんなことはない。

  

好きなだけ自分の欲求を満たすことができた犬は、自分で納得して次に移る。

だけど、いつも途中で止められている犬は、止められることを知っているから、

止められる前にやっておかなくちゃと、もっと必死になる。

  

実は逆なんじゃないかなぁ、と感じます。

  

いつまでも構って構ってと訴える犬

いつまでも飽きることなくにおいをかぐ犬

いつまでもボールを追いかけ続ける犬

  

世の中、他にももっとたくさん楽しいことがあるのに、

一つのことにそんなに執着しなくてもいいのになぁ、と思ってしまう。

  

もしかしたら、一度も満足するまで、気が済むまでやったことがないのかも、と思うのです。

いや、うちの子がそうでした。

  

  

  

そんな我が家の例を3つほど。

  

 

幼い頃は、「走ること」でした。

  

パワフルな犬種ですから、ご多分にもれずお散歩の引っ張りには悩まされ、

いくら歩いても、疲れて休むなんてことがありませんでした。

  

そこで私がとった作戦は、自転車で走ること。

  

お留守番明けのお散歩はとにかくハイパー。

そんな犬のペースに合わせて自転車で走ってみたら、

  

そしたらもう、早いこと、早いこと(笑)

  

外周2kmの公園で、ジョギングの人達をびゅんびゅん追い越し、知り合いには手をふる暇もなく、、、

でも、半周もすればペースは落ち、一周する頃には走ることに飽きて、においかぎしたいと言い出すんですね。

走ることに満足してしまえば、落ち着いて歩くことができるんです。

  

自転車散歩でない日は、2時間も3時間も歩いたことは一度や二度ではありません。

元々は1日中だって走り回れる体力を持つ猟犬ですから、1時間ちんたら歩いたくらいじゃ運動にもなりませんもの。体力があり余っている状態で、ゆっくり歩く練習なんて、無理なんです。

  

  

そして、もう一つ大切なことは、

犬が歩きたいのは、ただ体のストレスを発散するためだけではないということ。

  

もっと先に行きたい、知らない所を見てみたいという好奇心が満たされた時初めて、

 

人に合わせてゆっくり歩く余裕もできるのではないでしょうか?

  

  

 

  

そしてお次は、においかぎ。テリアですから ^^;

  

かぎたいだけかがせていたらきりがなーーーーーい、と思い込んでいた最初の頃。

  

余裕がない都会のお散歩では、いつもある程度嗅いだら途中で止められていた犬。

それがトレーニングだと信じていた私。

  

そんな毎日を過ごす内、、、犬は気になるにおいを見つけると急いで飛びつき、

止められそうになると、足をふんばって「あとちょっと!」とばかりに踏みとどまるようになってしまったのです!

  

「満足できない」=「納得できない」犬は余計に頑固になってしまうのですね。

イギリスで勉強し始めて、この行動に気づいた時、私は深く深く反省したのでした。。。

  

  

  

もちろん危険な場所やかいでほしくない場所もありますから、毎回とはいきませんけれど、

「今は好きなだけ嗅いでいいよ」という時間を作るようになってから、

犬はゆったりとにおいをかぐように。

  

そして、においチェックが終わり、納得すると、

ちゃんと自分から離れてついてくるようになりました。

嗅いでほしくない場所も、一言言えば、それ以上しつこく行きたがることはなくなりました。

 

人間の都合ばかりを押し付けるのではなく、犬の気持ちに寄り添って理解することで、

犬の方は「好きなだけ嗅げる」満足だけではなく、「わかってもらえる」満足も得たのです。

  

   

 

 

そして、ここ最近特に意識しているのは、

犬が満足するまでちゃんとかまってあげるということ。

  

年を重ねたせいか、元気に飛び回ることが取り柄だった犬も、

遊ぶに誘う訳でもなく、散歩に誘う訳でもなく、

側によりそってなでてほしいというそぶりを見せることが増えてきました。

  

 今忙しいから、また後で。

  

を繰り返していたら、寂しくなるのは犬も同じ。

  

犬が来てくれたのは、寂しいサイン。

テレビから目を離して、携帯も机に置いて、

ゆっくり、ゆったり、犬をなでてあげる。

  

そんなことをしたら、ますます甘えん坊になってしまう? 

  

いえいえ、犬は気が済んだら、自分から離れてベッドに戻っていくのです。

  

 

きっと、さっきよりもずっと、おだやかな顔で。

  

 

 

  

犬の性格によっても、皆さんのライフスタイルによっても、同じ方法が解決策になるとは限りません。ですが、

  

人間の都合だけを押し付けていないかな?

我慢ばかりせずに、ちゃんと毎日満足できているのかな?

  

そんなことをちょっとだけ思い出していただけたらと思うのです。

  

  

構ってあげたいけど、切りがなーーーい!

いつまでやったら気が済むの!

  

と思ったことがある方、ぜひ今晩、今週末、エンドレスの時間をご用意くださいね。

ついでに、携帯も切っておきましょう。

  

そして、犬の方が「もういいや」と自分から飽きてやめるまで、疲れてやめるまで、

一度とことんつきあってみるのはいかがでしょうか?

  

あ、あなたが満足するまで、じゃないですよ。

時間がない、疲れた、飽きた、犬が楽しんでいる内は言い訳ご無用、ですよ〜(笑)

  

  

そして、もし最後に、満足そうな、おだやか〜な顔が見れたら、

きっと何かヒントが見つかるはずです♪

 

 

p.s.

そんなことしたらワガママになっちゃうんじゃない?とご心配な方は、こちらも合わせてご覧ください♪ ただ好き勝手させた方がいい、という意味ではないのでね。

してほしいこと、されたくないこと。

一番よく使う指示の言葉。

 

何となく愛犬とうまくいかないという方は、どうぞご連絡くださいませ。

もうちょっとテクニック的なことも、少しだけアドバイスさせていただけたらと思います。

 
それでは、また♪

 

 

May, 2021

 

 
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