No.73  エンリッチメントって何だろう?

 

 

 

一時流行り言葉のように広まった「エンリッチメント」。

ぴったりくる日本語訳がないためにカタカナ言葉で広まってしまい、結局どういうこと?とわかりづらさもあったんじゃないかなぁ。

 

という訳で、学問としてのエンリッチメント、動物園(野生動物)のエンリッチメント、に留まらず、

愛犬に対して私たちができることを考えたい、という視点でセミナーを開催いたしました。

 

 

Animal enrichment   (https://nationalzoo.si.edu/animals/animal-enrichment より抜粋)

Enrichment isn't a single object. It’s a process aimed at improving an animal’s environment. Taking both scientific knowledge and animal behavior into account, animal care teams make changes to the animals’ surroundings to give them more choices and encourage behaviors that are natural to their species. 


 

 

エンリッチメントを考える上で大切なことは、

その種にとって Natural な行動がとれること、彼らに選択肢があること。

 

人間都合ではなく、彼らの都合で考える、ということなのですよね。

 

裏を返せば、人間都合の環境や接し方で動物を扱ってきた過去の反省から来ている考えなのだと思います。

私もこのテーマについて考える時、100%犬たちの立場で考えたい、でも人と暮らす以上そうもいかないこともある、という矛盾にいつもぶち当たります。

 

 

 

本題から少し逸れますが、身近な例で一つ考えてみましょう。

 

 

 

服。

 

 

犬に服を着せるということ、皆様はどう思われますか?

 

 

 

 

 

(まず最初に、一番大切なことを。

どちらがよい/ダメと白黒をつけないでほしいのです。

大切なことは、犬の立場に立って「考える」こと。

我が家にも犬服はあり、否定批判している訳ではないこと、最初にお伝えいたしますね。)

 

 

例えば我が家では、シニアになり体が弱ってきた時、

あたたかいコートのおかげで冬もお散歩に行けたし、

実家訪問時は、毛を落とすことにちょっぴり気を遣って服を着せたり、

自己免疫疾患を患ってからは、薬が使えない分、マダニを発見しやすいよう春秋の山散歩でも活用しました。

 

 

でも、何も教わっていないパピーが、首輪や洋服を嫌がる様子を見る度、何かをつけられる/着せられるということは、決して犬という動物にとって自然なことではないんだよなぁ、と思う。

 

犬本来の自然なあり方を考えたら、

シンプルに犬の立場からしたら、

何も着せないにこしたことはないだろう。

 

 

(絵本って、大人も考えさせられるよね。)

 

 

でもね、だからNG!と言いたいのではないのです。

 

必要があって、むしろ愛犬の負担を減らすために服を活用したい。

リードやハーネスがなければ、お散歩も行けないし…。

 

犬という動物にとっては本来不要だとしても、
人と暮らす上で便利だから使いたいものがあるのも事実。

でもそれを言い訳に、「仕方ないでしょ」と人間の都合ばかりを押し付けるのは断じて違う。

 

 

本来は不要なものだからこそ、人視点で「この機脳が必要だな」「この形がかわいいな」だけではなく、

犬たちの意見を聞きながら進めてみませんか?

 
 

もし足を通すのに不快感があるなら、そうでない形の服を選ぶだけでも、負担は減るはず。

足の動きを阻害するような作りのものだったら、お散歩で心身共にリラックスできないよね。
気温や運動量によって、さっきはよくても今はダメなことだってある。
本当に愛犬が不快を感じていないか、受け入れてくれているか、常に考えてみよう。

  

服自体ではなく、強引に着せられるのが嫌で抵抗する犬たちも、とても多い。

犬たちのペースで、犬たちにとって嫌でないやり方であれば、受け入れてくれるものだってある。

幼い頃から不快感を感じずに育てば、こんな風に悩むこともないんじゃないかな。

 

 

そうして愛犬の気持ちを尊重して、犬たちの意見を聞きながら進めることができたら、

きっと私たちの関係もよりよいものになることでしょう。

 

 

 
 

きっとこれを読んで、共感していただける方も、そうでない方もいらっしゃると思います。
それでいいのです。


あれ?これってもしかして、犬という動物には実は必要なくて、人の都合でやらせてるんじゃないかな?と気づくことがスタートライン。

そしてそれに気づいたら、より犬たちの Natual に近づく努力を忘れずにいたいな、と改めて自戒しつつ。

 

答えのないテーマだからこそ、こうして犬について学び続け、考え続けることこそがとってもステキだなぁ、とご参加の皆様にあたたかさをいただいたセミナーでした(^^)

 

 
Jul, 2025
 

 

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